さよならの時まで、笑顔で
.



「すみません、家族は今は呼べなくて...。
私だけでは、だめ、ですか?」




そう言うと、先生は少し考えて、何かを決意したかのように私の目をしっかりと捉えて言った。




「二宮さん」




「.....はい」




「単刀直入に言います。」





先生は、一呼吸おいて





「あなたは、脳腫瘍です。」





「のう、しゅ、よう...?」





「脳に腫瘍があります。
しかもその腫瘍が悪性であることがわかりました。」






......悪性の、脳腫瘍....





何かのドラマで見たことがある。





悪性の脳腫瘍は、助からないってー。




今の技術では治せないって...。


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