十色スタッカート
高校1年の初日に行われた席替えで。
窓際の1番後ろを勝ち取った所までは良かったのに、隣の席にずっと気になってた男子が当たって激しく動揺した。
気になってた理由は顔と名前。
どこかで見た顔だな…と思っていた矢先に『龍司(りゅうじ)』と言う名前を目にして小学生の頃の記憶が蘇った。
多分あれが初恋だったんだろう。
小学2、3年の時に同じクラスで隣の席だった男の子に恋してた。
彼はいつも明るくて元気で、本ばかり読んでる私を(強制的に)ドッジボールに連れ出したり、鬼ごっこに(勝手に鬼として)参加させたりと体を動かす楽しさを教えてくれた。
そんな彼が転校したのは突然で、お別れの言葉もなく生き別れた。
もちろん告白なんてしてなくて後から彼を思い出す度に気持ちを伝えておけば良かったと、少しだけ後悔した。