十色スタッカート
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お昼休みは友達のえぐっちゃんと教室を抜け出して図書室に来る。
図書委員だけがこの時間に特別に使える資料室で、2人してお弁当を広げるのが毎日の日課。
えぐっちゃんとはクラスが離れてしまったから話せる機会は今しかない。
お互いにクラスに馴染めず、ここで繰り広げられる会話の半分以上は『友達欲しい』に限る。
「そろそろクラスで友達作んないと、行事毎でぼっち確定だよ……」
同じ中学出身は、えぐっちゃんと更に違うクラスの男子。
少し遠い所を受験したから顔見知りが居ないのは仕方がない。
友達くらいすぐ出来るっしょ。なんて余裕ぶっこいててこの有様だ。
恐らくえぐっちゃんもナメてたクチだろう。