失恋覚悟のマイヒーロー
「はー!おわった!」



あれよあれよと試験は進んでいき、合格発表まできた。



「はぁー、受かってるといいな」


「受かってたら番号呼ばれんだよな?お前何番?」


「んと、53番。更科くんは?」


「俺、52だわ」



てことは、二人とも受かってたら順番に呼ばれるってことか。


受かってほしいけど、まだここにいたいなんて思ってる。

更科くんはここが地元だから。
あたしだけが落ちていたとしても会える。
でも、受かったらもう明日からはあえないんだよ。



「つーか2週間以上一緒にいたんだな」


「……だね」



家族以外の誰かとこんなにずっと一緒にいるなんて初めてだった。

でも、心地よかった。
相手が更科くんだったから。



「俺の部屋にきたのがお前でよかったよ」


「え?」


「最初はどうなることかとおもったけど、案外お前といるの楽しかったよ」


「……うん、あたしも」



楽しかったからだけじゃないけど。
それでいい。

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