2度目の初恋も、君とがいい

ヤキモチ

「部活の出し物あるから行ってくるね!」



学校祭当日。
日奈子と回ろうと決めていたのに、当の本人は忙しそうに走り回ってる。



「これじゃあ回れないな」



日奈子を誘うのは諦めて、教室から出て一人廊下を歩く。

見渡せば、いろんな教室がカラフルに装飾されていて。
お祭りの雰囲気でたくさんだ。



「千花」



廊下を歩いていると、後ろから名前を呼ばれる。

振り向かなくたって誰かわかる。



「永人」



永人と二人でいることには、まだ抵抗があるけど。
でも、毎日のようにこうして声をかけてくれることは正直ありがたいと思っている。



「日奈子、部活?」


「うん。出し物あるって慌てて出てった。明日汰も?」


「うん。しょうがないから一緒に回ってやるよ」



なんて得意げに言って、隣を歩く。



「しょうがないって別に頼んでないんだけど」


「うるせー、俺に従え」



照れくさそうに言う永人にやっぱりくすぐったく感じる。

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