2度目の初恋も、君とがいい
「……え?」



一瞬にして明里さんを連れて教室から出てった永人に、なんだかぽっかり心に穴が空いたみたい。



「一緒にいてくれるって言ってたくせに……」



別に一人でいることが嫌いなわけじゃないし、誰か男の子といるくらいなら一人でいた方がマシという考えだ。

でも、永人がいままでほかの女の子に心を開いた瞬間を見たことがなかったから。
なんだか置いていかれた気分で、寂しさが募る。

あたし以外にもいたんだ。
永人が心を開いている女の子。

そりゃ、永人には元カノもいたみたいだし。
あたしとは全然違うってわかってる。

それでも、あたしは永人にだけだから。
触れられても大丈夫とかそう感じる男の子は。

でも、そんなのあたしの勝手な思い込みでしかないこともわかってる。

それでも、同じ気持ちでいてくれたら嬉しいな……なんのはあたしのエゴでしかない。

目の当たりにした現実に、なんだか言いようのない不安が押し寄せてきて。

何も買わずに教室を出ようと歩き出す。

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