2度目の初恋も、君とがいい
「わっ」

「きゃっ」



教室を出ようと一歩踏み出せば、入ってくる誰かにぶつかりそうになる。



「ご、ごめんなさい!」



その声が男の人だったから、その人の顔を見ることもできない。

だから、とりあえず下を向いたまま謝ってその場から逃げようとする。



「あ、おいっ」



……が、なぜかその人に腕を掴まれて逃げることが出来なかった。



「な、なんですか!」



男の人に腕を掴まれて、あたしが平気でいれるわけがない。



「大丈夫だから顔上げろ」



なにが大丈夫だというのか。
あたしのことを何も知らなくせに、その人はそんなことを口にする。

制服を着ていないのは足元を見てるだけでもわかる。

落ち着いた感じだし、生徒じゃなくて先生なんじゃないかと察する。

あたしのクラスは、担任もすべての授業も女の先生だからなんとか通えてた。

男の子が苦手というとは、落ち着いた大人の男性であっても変わらない。

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