2度目の初恋も、君とがいい
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「どうしたの?こんなとこまで連れてきて」



夢中で明里さんの腕を引っ張って、屋上に続く階段まで気がついたら来ていた。

目の前の明里さんは、息を切らして肩を揺らしてる。



「すみません、千花に聞かせたくなくて」


「どういうこと?」



眉間にシワを寄せて首を傾げる。



「千花、俺が告白した相手だって知らないんですよ」


「え?」


「あの時、俺が告白したせいでいじめられたじゃないですか……」



あの時のことを思い出すと、自然に拳を握る手に力が入る。



「そうだね……」


「俺のことわからないっぽかったから、名乗りだせないままで……俺だって分かったらもう一緒にいてもらえない気がして」



全ては俺が弱いから。
そんなこと気にしないで、千花に全てを明かせばいいのに。

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