2度目の初恋も、君とがいい
「どうして一緒にいれないの……?」


「俺、振られてるし。それに俺のせいでいじめられたようなもんだし。だから……千花が気づくまでは黙っておこうと思って。再会した千花はなぜか男嫌いになってたし」



なぜ、千花が男嫌いになったのか。
理由は聞けてない。
千花が話したくなるまで待とうかと思って、そのままでいる。



「そうなんだ。でもいいの?」


「え?」



明里さんの言葉の意味が理解できなくて、首を傾げる。



「永人くん、あの子に何も言わずにあたしの腕とって走ったよ?」


「あ……」



サーっと血の気が引く俺とは対照的に〝愛の逃避行みたいね〟なんて目の前の明里さんは楽しんでる。



「ちゃんと言い訳するのよ?また振られても知らないよ?」


「わかってますよ。それに今だって振られ続けてるようなもんですよ」



〝好きだ〟
なんて口にしたことはないけど。

こんなにも毎日のように〝嘘の恋人〟ですら断られ続けてる。

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