2度目の初恋も、君とがいい
「悪い、遅れた」



肩を揺らしながら現れたのは、永人。

気持ちを認めたばかりで、顔を直視することができないあたしは永人を見ないように琉衣くんに目を向ける。



「琉衣くん、夏休みも学校なの?」



あたしの声に永人がこっちを見た気がしたけど、それには気づかないふり。



「まぁ教師はいろいろとやることがあるんですよ。夏休み明けのためにね」



ふぅっとため息をつきながら言う琉衣くん。



「あたしたちばっか楽しんじゃってごめんね」


「いやいや、それが学生だろ。相変わらず優しいんだな、千花」



クスクスと笑ってあたしの頭に触れる。

この、琉衣くんの手がやっぱり昔から好きなんだ。



「二人ってどういう関係なんですか?」



いつの間にか、あたしたちの横に来ていた永人がそう口にする。



「幼なじみだから、余計な心配はご無用だよ。彼氏くん」



永人の問いに答えたのは、琉衣くん。

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