2度目の初恋も、君とがいい
「俺帰るわ」



あっという間に放課後。
永人はそれだけ言うとさっさと教室からでてってしまう。



「はや」



あっという間の永人の行動に明日汰が目を丸くする。



「ね、なんか今日普通じゃなかった気がする」



お昼休みに体育祭の話しをしたあとあたりから、永人はずっ机に顔を伏せてばかりで。
隣の席なのに目が合うことがなかった。

自分がなにかしてしまったのではないだろうかと、不安に駆られる。



「千花のせいじゃないから。ほら、行くぞ」



気がつけば、明日汰はカバンを持って立っていた。



「あ、うん!」



あたしも慌てて、カバンを取って立ち上がる。



「バイバイ、日奈子」


「うん、練習頑張ってね!」



日奈子は笑ってはいたけど、どこか寂しげだった気がする。

あの時と一緒。
あたしと永人が嘘の恋人を始めたとき。

やっぱり、明日汰のこと……。

ただ、あの時は絶対に永人の方を向いていたはず。
その想いを消したのはあたしなのかもしれない。

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