2度目の初恋も、君とがいい
「あんまそういうこと言うのやめろよ」


「そういう、こと?」


「さみしいとかさ、そういうこと……そういう目で」



あたしを見つめていた目をふっと逸らす。



「本心だもん……なにがいけないの」


「ここさ、密室だよ?」


「へ?」



椅子から立ち上がった永人があたしの腕を掴んで歩き出す。



「警戒心ないよね。ほんと」


「え、永人?」



普段の永人とは全然違う気がして、慌てて声をかける。



「俺だってさ、男だよ?」



次の瞬間永人があたしを座らせた場所は保健室のベッド。



「永人!?」



男性経験がなくたってわかる。
この先なにをされるのか。



「あんま男心をかき乱さないの」



あたしの隣に座った永人はふぅっと息をつく。



「へ?」



なにかされるもんだと思っていたあたしは拍子抜けをして変な声が出てしまう。



「まぁ、なにかをするなんて思ってないよ」



ぽんっとあたしの頭を撫でる。

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