2度目の初恋も、君とがいい
「好きなくせに告白断るとかバカみたいなことするからこうなるんじゃん」


「しゃーねーだろ。これしか千花をずっと守れる方法なんてねぇんだから」



いつだって言いそうになってる。
千花に〝好きだ〟って。
でも、近い未来にあいつが傷つくくらいなら。
俺が我慢すればいいと思いとどまってる。



「ほんと不器用」


「うるせーよ」



どうしたらいいかなんてわからない。
これが1番正しい道かどうかもわからない。
でも、正しいって信じるしかないんだ。



「卒業するまで黙ってるつもり?」


「卒業か……」



千花に会わなくなれば、言いたくなるという危険は免れる。



「卒業式くらい本心言ったら?会うの最後になるかもなんだから」


「卒業式より前にいなくなるよ、俺」


「は?」



もう決まってること。
まだ、誰にも言ってなかったこと。



「俺、3月に留学するんだ」



唯一の得意科目である英語。
親からずっと言われていたことだった。

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