2度目の初恋も、君とがいい

付き合ってるフリ

「草野さーん、超好み！俺と付き合おうよ」



２年生になって１週間。
同じクラスの木下那智（きのしたなち）くんが毎日のようにこう言ってくる。



「那智うるさい！千花はこういうの苦手って何度も言ってるでしょ？」



毎日、日奈子が彼からあたしを守ってくれる。

あたし、日奈子がいないと本当にダメなやつなんだ。



「日奈子、いつもありがとね」


「いいのいいの！しつこいアイツが悪い。まぁ、千花が可愛いんだから仕方ないんだけどね」


「……かわいくなんか」


「もう！千花はもっと自分に自信持ってよ！」



日奈子はいつもあたしの評価が高すぎるような気がする。

あたしなんて可愛くないし、男の子とろくに話せないし。



「おはよ、千花」



席で日奈子と話してると頭をぽんっと叩かれる。



「おはよう……永人」



１週間前と少し変わったこと。
隣の席の八神くん……いや、永人とは少しだけど話せるようになった。

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