2度目の初恋も、君とがいい
永人と前にあたしに言ってきたあの女の子が同じ中学ということは、元はあたしの行くはずだった中学だということにねる。



「永人、杉野さんと同じ中学なら隣の小学校だったんだね」


「え?」



あたしの言葉に永人が目を丸くする。



「前に杉野さん、中学のときは……って話してたから」


「あぁ……麗菜のこと覚えてんだな」


「うーん、あのあと思い出したの」



〝あの時も今も、イケメンに取り入るのがお上手なようで〟

その言葉はいまでも頭に残ってる。



「あん時、何言われた?」



心配そうにあたしの顔を覗き込む。



「な、にも言われてないよ……」



こういう時、嘘をつくのが下手くそで言葉がうまく紡げない。



「お前さ、嘘つくの下手すぎ」



案の定、簡単にバレてしまう。

言えたらどんなに楽だろう。
救いを求められたらどんなに楽だろう。

でも、誰かに言うことによって閉じてた記憶の蓋が開いてしまう気がして怖いんだ。

< 182 / 235 >

この作品をシェア

pagetop