2度目の初恋も、君とがいい
「あんた、クリスマスに過ごす彼女もいないんすか?」



ふたりの楽しそうな会話にほっこりしていると、不機嫌そうな声が横から聞こえる。



「ちょ、永人……」



どうしてこいつはこんなにも瑠衣くんを敵視するのだろうか。
瑠衣くんに気づいてからずっと不機嫌だし。



「彼女なんてずーっといないよ、俺は」


「結構いい顔してんのに、理想高いんすね」



たしかに。
瑠衣くんはカッコイイから、彼女がいてもおかしくない。



「瑠衣くん、告白もされてるけどずっと断ってるよね!?」



明里さんも気になるのか身を乗り出している。



「いやいや、生徒の告白にOKはできんでしょ。生徒に手は出さないよ」


「くー!卒業までダメか!」



明里さんはよっぽど瑠衣くんがお気に入りなのだろう。



「百瀬……お前は好きなやついるだろ」



はぁっとため息をつく。



「あぁー。その話はもう出さないでくださいー。振られて悲しいんですからーーーー」



耳を塞いで頭を横にふる。

< 189 / 235 >

この作品をシェア

pagetop