2度目の初恋も、君とがいい

「千花、ありがとう」


「どういたしまして」



永人からノートを受け取る。



「あっ……」



受け取ろうとしたときに、あたしと永人の指が重なって思わず手を離す。



「悪ぃ」



少し気まずそうな顔になって、離した瞬間に床に落ちたノートを拾う。



「ううん、あたしがごめん」



いくら二人に慣れたって言っても、触れるとかそんなのはまた次元の違う話で。

指が触れるくらい、普通ならどうってことないのに。
こんなことでまた、フラッシュバックしそうになる自分が嫌いだ。



「大丈夫か？」



あたしの机にノートを置いて、心配そうな顔をする。



「うん……なんとか」



なにがあってこうなったのかは話してないけど、昔のことがフラッシュバックしてしまうって永人と明日汰には話してある。



「ごめんな、気をつける」


「ううん！永人は何も悪くないから」



この症状のせいで永人に気を遣わせてまうのが嫌だった。

どうして、あたしはこんなんなのだろうか。