2度目の初恋も、君とがいい
嬉しい言葉だけど、今はそんな言葉じゃ救われない。



「あたしからも二人にあげる」



日奈子がカバンからチョコをふたつ出して、二人に渡す。



「おーうまそ」



明日汰が嬉しそうに受け取っているそのチョコは、いつものようにやっぱり美味しそう。



「そして、千花には本命チョコ」



あたしの机に、二人に渡したチョコより少し大きめのものを置く。



「何、俺ら千花に負けたわけ?」


「当たり前でしょー。千花より上にいけると思ってんの?」


「ですよねー、はい。すみません」



明日汰と日奈子のやりとりにくすっと笑えるのに、心のもやもやはどうしても晴れない。



「あたしからは今年もホワイトデーに返すね」


「うん!待ってる」



日奈子とあたしの間では、バレンタインに日奈子。
ホワイトデーにあたし。
その流れが出来上がっていた。



「あ、そうだ。あたし瑠衣くんに用事あるんだった」



そう口にして席から立ち上がる。

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