2度目の初恋も、君とがいい
「あんなトリュフ食べたあとに渡せないよ」



ふぅっとため息をついて、瑠衣くんのいる準備室へと向かう。



「瑠衣くん?」



とんとんと軽くノックしたと同時にドアをあける。



「お、千花。どうした?」



お兄ちゃん的な瑠衣くんの落ち着いた笑顔であたしを出迎えてくれる。



「チョコを渡しにきたの」


「千花からのチョコめっちゃ久々だな」



嬉しそうに微笑んであたしの手からチョコレートを取ってくれる。



「昔は毎年あげてたもんね」


「だよなー。作ったんだろ?」


「うん。少ないけどどうぞ」



たくさん作ったうちのほとんどは永人用だから。
余ったものを瑠衣くんにおすそ分け用に包んどいたんだ。



「つーか、めっちゃ見られてるけど?」



瑠衣くんがドアの方をみて意地悪そうに笑う。



「え……?」



瑠衣くんの言葉に、ドアのほうを見ればそこに立っていたのは永人。


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