2度目の初恋も、君とがいい
予想外の永人の言葉に驚いて声をあげてしまう。



「俺のこともう好きじゃねぇんだ?」


「え……?」



あたしが永人のことを好きなはずなのに。
そう話す永人がなぜだかとても切ない顔をしていて。
どうしてだかわからなくて、胸が痛くなる。



「バレンタイン忘れてたとか見え透いた嘘、つかなくてもいいだろ」


「永人?」


「俺の分がないならないでそう言えよ。嘘とかやめろよ」


「……ごめん」



嘘をついたのはたしかだから。
でも、永人のぶんがなかったわけではない。

現に今手にあるこの巾着にはいってる。



「あ、あのね……これ」



意を決して、巾着からチョコレートをだす。



「なに?」


「永人のチョコ」



あたしの言葉に目が丸くなっていく永人。



「これ?」


「うん、永人の……「いらない」


「え……?」



永人の言葉に持っていたチョコを落としそうになるけど、かろうじて落とさないように踏ん張る。

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