2度目の初恋も、君とがいい
その日は結局、授業を受ける気にもなれずに保健室に行ってそのまま早退した。



「たかが恋愛で、弱いよなぁ」



自分で呟いておきながら〝たかが〟だなんて思えない。
永人のことはどんだけ突き放されたとしてもやっぱり好きなままで。

嫌いになれたら楽なのに。

あたしのチョコはそんなにも嫌だったのか。
あの子のほうが可愛いから好きなのか。

〝可愛いよ〟といつも言ってくれていた永人はもういない。
いまはあの子にそんな言葉を紡いでるのかもしれない。

あたしたちには嫌な顔をするけど、彼女の前では甘いのかもしれない。
あたしも知らない面を見せてるのかもしれない。



──ブーッ



テーブルの上に置いてあったスマホが振動する。



「瑠衣くん……?」



ディスプレイに表示されていたのは瑠衣くんの名前。



「もしもし?」



授業が終わってすぐくらいの時間なのに、電話がきたことにびっくりしながらも電話に出る。

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