2度目の初恋も、君とがいい
「はは、びっくりしすぎ」



可笑しそうに笑う。



「だ、だって……」



いくら幼馴染とはいえ、瑠衣くんはうちの学校の先生だ。



「大丈夫。付き合うとか考えてないよ」


「え?」


「ただ言ってみたかっただけ」



そう言って優しくあたしを見る。



「……瑠衣くん」


「俺の気持ちが爆発する前に、早く永人くんと幸せになりなよ。ほら」



瑠衣くんが窓の外を指す。



「え?」



瑠衣くんの言葉に振り返って外を見ると、寮の前でスマホを見ながらウロウロしている永人の姿。



「たぶんあれ、千花に会いにきたはいいけど……バレンタインのこともあるしどうしようか迷ってるんじゃないかな?」


「……うん」



永人がウロウロしながら、頭をかいたりしてる姿をみてあたしもそんな気がした。



「俺は帰るからちゃんと話しなよ」


「……うん」


「ずっとそばにいれるわけじゃないよ。いつかもしかしたらいなくなってしまうかもしれない。だからいることを当たり前だと思わないで。今を大事にして」



瑠衣くんの言葉があたしの胸をさす。

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