2度目の初恋も、君とがいい
「なんで俺のこと見てくれないの?」



身を乗り出して、あたしに顔を近づけてくる木下くん。



「あ、の……」



このままだとこの人の前でフラッシュバックしてしまう。
だから、避けなくてはならない。
逃げなくてはならない。

そう思うのに体が動かない。
こんなに近くに男の子の顔があるのもなかったし、体が硬直してしまっている。



「ね、俺と付き合おうよ」


「や……」



フラッシュバックしてしまいそうな自分を必死にコントロールする。

今はダメ。
この人がいなくなるまで我慢しなきゃダメ。


「何で、あいつらとは話せて俺とは話してくれないの?」


「……っ」



あいつらっていうのは、永人と明日汰のことだろう。



「このままキスでもしちゃう?そしたら、草野さん真面目だから俺と付き合うよね?」



グイグイと顔を寄せてくる木下くんの姿に目をぎゅっと瞑る。



「……にしてんだよ!」


「うわっ」



もう、ダメだと覚悟した瞬間。
頭上から聞こえて来た声にゆっくりと目を開ける。

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