2度目の初恋も、君とがいい
「そしたら同じチョコだしてくるし。誰に作ったかわかんねぇようなチョコとか欲しくなかったんだ」


「……永人」



あたしだ。
あたしがちゃんと説明しなかったからだ。



「あのあとすぐに日奈子から聞いた」


「そっか……」


「でもなんて言ったらいいかわかんなくて今日になってた。ほんとごめんな」



あたしの頭に手を乗せる。

久しぶりの感覚で、触られたところが熱くなる。



「永人……」



上を見上げて永人の顔をみつめれば〝見んなよ〟と恥ずかしそうに言って、ぎゅっと抱きしめられた。

抱きしめられるのも久しぶりで、前よりもトクントクンと鳴る高鳴りが多い気がする。



「ほんとごめんな、千花」


「そんなに謝らないでよ」


「これが最後だから、しばらくこのままでいて」


「最後……?」



永人の口から出た最後ということばに首を傾げる。



「なんでもねーよ。とにかく黙れ」



そんな命令口調であたしに言って、ちゅっと口付けをする。

永人の言葉は気になったけど、今日はこの永人に溺れてしまおうと決める。

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