2度目の初恋も、君とがいい
「つ、疲れた……」



山を登ってる途中のあたしたち。
下を見れば、もうスタート位置は見えなくなってるし結構登ってきたと思われる。



「荷物貸せよ」



はぁっと肩を落としてると背中からひょいっとリュックが外される。



「え!でも、それじゃあ永人が!」



軽くなった背中にびっくりして、思わず声が大きくなる。



「言っとくけど、俺のリュックお前より軽いからな?」



ははっと笑って歩き出す。



「も、もう……でもありがとう」



永人がリュックを背負ってくれたお陰で、すごく歩きやすくなった。



「あれー永人くん、前と後ろにリュック背負ってるー」



なんて、女の子たちと声が聞こえる。

それに対して、何の反応もすることなく〝行くぞ〟とあたしに一声かけてくれる。



「うん」



そんな永人の隣をあたしも歩く。

女の子たちの声に少しだけ、体が硬直しそうになったけど
でも、永人が隣にいることでそんな体も和らいだ。

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