2度目の初恋も、君とがいい
「どこだろう……ここ……」



歩いても歩いても目的のコテージが見えてこなくて、目に涙が浮かんでくる。



「いま何時なんだろう……」



時計も何ももってきていないあたしにはいまどのくらい経っているのかもわからない。

ただ、わかることは薄暗くなってきているってことだけ。



「……永人」



自然に口にしていたその名前に驚く自分がいるけど、そんなことを気にしている間もなかった。

でも、こんな時前なら日奈子を真っ先に頭に浮かべていたのにいまのあたしの頭にあるのは永人の笑顔。

毎日一緒にいて、永人が隣にいることが当たり前になっていた。

嘘の付き合いでしかないのに。
その気になんかなっちゃダメなのに。

やっぱりいままで男の子に関わってこなかったからか、仲良くなった男の子が気になってしまうのだろうか。



「ダメだよ……ダメ」



あたしは大きく首を振って自分に何度も湧き上がってくる感情に蓋をする。

永人はあたしのことなんとも思ってないし、日奈子は永人のこと好きなんだろうし。

いまのこの関係を壊したくなんてないんだから。

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