2度目の初恋も、君とがいい
「日奈子、あいつ部屋にスマホ忘れてない?」



さすがに日奈子と千花の部屋に俺が入るわけにはいかないので、食堂に戻る。



「え?」


「鳴ってんだよ。かけたら」


「ほんと?待っててね」



パタパタと走って部屋へと向かう。



「……なにやってんだよ」



俺が。
傍にいてあげるはずなのに、いま一緒にいれてない。
係が違ったんだからと言われればそれまでなんだけど。
でも、それでもなにか方法があったはずだ。



「やっぱり部屋にあったー!」



千花のスマホを持って走ってくる。



「まじかよ、全然戻ってこないんだけど……」



千花がいまどこにいるかわからないことがこんなに不安なことだなんて思わなかった。

千花のそばにいなきゃじゃない。
俺が千花のそばにいたいんだ。



「千花も子供じゃないし、きっと大丈夫だよ……」



全然〝大丈夫〟という顔をしていない日奈子。



「俺、探してくるから心配すんな」



日奈子の肩をぽんっと叩いて、コテージを飛び出した。
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