2度目の初恋も、君とがいい
「どこいったんだよ……」



先生から懐中電灯を借りて、一人外に出た。
懐中電灯を借りなくてはならないほどもう外は暗かった。


俺のそばにいろ。なんてことは言えない。
でも、俺がそばにいて欲しかった。



── 「俺の女避けになってくんない?」


あれは一つの賭けだった。

あのときは、始業式からたった1週間くらいだったけど。
それでも、他のクラスの男たちよりは千花に近い自信があった。

でも、告白。
なんてものはする勇気がなくて。

まさか俺が千花のことを好きだなんて、知らないんだろうな。

本当は、ただ頭を撫でるだけで。
俺に笑顔を見せてくれるだけで。
たまに手が触れるだけで。

俺はいつもドキドキしてるなんて、知らないんだろ。

千花の隣にいれる。
その機会を嘘でもいいから作りたかった。
こうでもしないと千花の隣にいれないほど、俺は本当は怖いんだ。

告白して振られるってことが。

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