2度目の初恋も、君とがいい
「くっそ、雨かよ」



千花を探しに歩いてるとポツポツと当たる水しぶき。



「はやくしねぇと風邪引いちまう」



辺りをキョロキョロしながら千花の姿を探す。

雨のせいで一段と暗くなってしまった空。
余計に見つけるのが難しくなってくる。



「明日汰にも頼めば良かったかな」



すこし、そんな考えが出てきて首を振る。



「他のやつなんかいらない」



出てきた言葉に俺にこんなにも独占欲みたいなものがあったことにびっくりする。



「……っ」



すこし遠くに見えた、ぼんやりとベンチに座る姿に俺の足が小走りになる。



「千花!!」



こんな大声を出したのは久しぶりかも知れない。



「えい、と……?」



ぼーっとした目で俺のことを見る。



「お前……なにやってんだよ、心配すんだろ」



自分の上着を脱いで千花の背中にかける。
触れないように気をつけながら。



「俺のだし嫌かもしれないけど、寒いよりマシだろ」



こくりと頷く千花。

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