2度目の初恋も、君とがいい
〝嫌かもしれない〟ってとこは否定しないんだ。

千花のこの男が苦手な理由はわからないけど
その苦手意識がなくならない限り、俺たちの距離がこれ以上近づくことはない。



「ここ、木のしただから濡れなくてよかったな」



俺も千花の隣に腰掛ける。



「ありがとう、来てくれて」


「マジ心配するって……勘弁してくれよ」



千花が無事でいてくれたことに安堵して深く息を吐く。



「ごめんね、迷惑かけて」


「迷惑なんかじゃねぇよ。嘘でも俺は彼氏なんだからお前は俺にたくさん頼ればいんだよ」



嘘の恋人でしかないけど。
俺は、本当に好きだから……。
できる限りの愛を注ぎたい。



「ありがと……」


「お前、今にも寝そうだな」



どのくらいこんな外にいたのだろうか。
夕飯の準備がはじまったのが16時で、気づけばいまはもう19時間。



「たくさん歩いたの。迷っちゃって」

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