2度目の初恋も、君とがいい
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「日奈子、行くぞ」



心配そうに窓を眺めてる日奈子に声をかける。



「え?」


「永人からLINEきた。いたみたいだけど、雨降ってるし寒いから傘と上着持ってきてって」


「じゃああたし、部屋から千花の上着持ってくる!」


「おぉ」



俺の返事よりも先にバタバタと部屋へと走っていく。
よっぽど安心したんだろうな、さっきまでの心配そうな顔から無事を伝えた瞬間に変わった。



「……はぁ」



千花はきっと永人が好きなんだろうな。
最近の千花は永人にかなり心を開いてると思う。
俺にももちろん開いてくれてるけど、そんなのよりずっとずっと永人は千花に近い。



「明日汰、お待たせ!いこう」



暖かめの上着を持って、俺の元に走ってくる。



「どこか分かってるの?」


「案外近かった。たぶん、道に迷って歩いてるうちに近くにきたパターンだな」


「はは、千花らしいや」



少し寂しそうに微笑む。

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