2度目の初恋も、君とがいい
「あっ……」



学校が終わって、帰ろうとカバンを机からとったときポケットでスマホが震えた。



「もしもし?」



表示されていた名前は、結局今日学校には来れなかった永人。



『……ゴホッ……学校終わった?』



開口一番の咳が耳に響く。

永人と電話をするのは初めてで、なんだか変な緊張がある。



「うん。今から帰るとこ」


『そっか……ゴホッ……今日、大丈夫だったか?』



咳をしながらもあたしを気遣う優しさに、胸が暖かくなる。



「うん。日奈子と明日汰が一緒にいてくれたから」


『そっか……ゴホゴホッ……ちくしょー行きたかった』


「もう、そんな咳して何言ってるの。今だってつらそうなわだから電話切ったほうがいいよ」



酷い咳をしてる永人が心配になって、早く電話を切るように促す。



『やだ……』



なんて、珍しく駄々をこねてる。



「やだって……」



あたしもどうしたらいいのかわからず、言葉が見つからない。

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