2度目の初恋も、君とがいい
『帰るとこなら看病しに来てよ』


「は!?」



予想外の永人の言葉に思わず大きな声が出る。



『彼女じゃん?』


「いや、それは……」



嘘だし。
嘘だもん、彼女なんて。

男の子の一人暮らしの家に行くなんて、ハードルが高すぎるよ。
いくら永人に慣れたとはいえ、密室に二人でいたことなんて1度もないし。



『嘘でも彼女なんだから……ゴホッ、看病こいよ』


「……っ」



そう言われてしまうと、返す言葉がない。



『来ないの?』


「行く!行くから!大人しく寝てて!」



気がついたらそう言っていた。

これ以上話してると、咳を悪化させてしまいそうだし。
たしかにあたしたちは、嘘でも恋人同士という立場だから。



「なにか買っていこうか……」



教室を出て一人、とぼとぼと歩きながら廊下の窓からコンビニを見る。



「日奈子がいたらなぁ……」



〝一緒に行こう〟って誘えるのに。
残念ながら、日奈子と明日汰も部活だ。

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