2度目の初恋も、君とがいい
「……っ」



いままで早瀬くんの顔をちゃんと見たことが無かったのかもしれない。



「草野さん?」


「あ……いや、ありがとうございます」



早瀬くんにぺこりと頭を下げて、教えてもらったプリンを2つ。
買い物かごに入れた。



「どういたしまして」



爽やかに言う彼を背中にして、そそくさと飲み物もカゴにいれてレジに向かう。



「スーパーにすればよかったかな」



好物がわかったのは嬉しかったけど。
コンビニじゃあ、お粥の材料がそんな揃わない。

それに、早瀬くんもいなかった。



──千花はなんもしてねぇじゃん!お前らただの嫉妬だろ!



コンビニをあとにしながら蘇るあの頃の記憶。

一人、助けてくれた男の子がいた。
もう顔も忘れてしまっていたけど、今日見てハッキリと思い出した。

あれは早瀬くんだと。



「やばい、手が震える……」



早瀬くんがあたしのことを虐めたわけじゃない。
庇ってくれた人なのに。

どうして、それでも苦しくなるんだろう。

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