2度目の初恋も、君とがいい
──ピンポーン



永人の家の前で緊張しながらチャイムを押す。



「遅ぇ……ゴホッ」



肩で息をしながら、赤い顔をした永人がでてくる。



「コンビニ寄ってたの。大丈夫?」



さっきの震えがまだ止まってない手を抑えながら、それでも永人に気づかれないように平然と話す。



「千花?」



でも、そんなの永人には無縁なようで。
あっという間に気づかれる。



「ん」



永人がなんであたしの名前を呼んだのか。
そんなのわかってるけど、気づかない振りをして靴を脱いで家の中に入る。



「……ゴホッ、なんかあった?」



咳をして、苦しそうにしながらもあたしの腕を掴む。



「なんも、ないよ」


「嘘だろ……ゴホッ……千花の変化なんかすぐわかる」



そんなにあたしわかりやすくないと思うんだけど。
どうして、この人にはすぐにわかってしまうのかな。



「大丈夫。あ、これ好きなんでしょ?」



それでも、何も言いたくなくて。
プリンを袋から出して、話題を変える。

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