2度目の初恋も、君とがいい
「寝るのかよ……」



ひとり、リビングに残されたあたし。

まぁ、具合悪いなら寝てもらった方がいいに決まってる。



「永人、冷蔵庫になんかある?」



寝室のドアから少し覗いて話しかける。



「ん。母さんが毎週なんか送ってくるからそれなりに」


「わかった、じゃあ寝てて」



それだけ告げて、ドアをしめてキッチンに向かう。



「結構入ってるじゃん」


お母さんがマメなのだろうか。
一人暮らしの男の子にしては意外に材料が入っていた。



「卵とネギあるし……お粥作れるね」



スーパーに行かなかったことを後悔してたから心からホッと息をつく。



「よーし、作るか」



寮に入った中学から、ずっと料理はしてきた。
あたし達の住む寮では、自炊か食堂かを選べるようになってる。

自立ができるようにと、週の半分だけ食堂にしてほかの日は自炊にするように入寮の時にお母さんと約束をした。



「美味しくなぁれー」



永人が美味しそうに食べる姿を想像しては頬が緩む。

気がつけば、さっきの手の震えは止まっていたんだから、永人の存在ってすごいなと改めて思う。

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