2度目の初恋も、君とがいい
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「おい、なんで先に行ったんだよ」



教室の机に顔を伏せてると、すっかり元気になった様子の永人の声が頭上から聞こえる。



「早く行きたい気分だった」



顔を伏せたまま、永人の顔を見ることもなく呟いた。



「それならそうLINEしろよな。意味もなく待ってただろ」


「ごめん」



あたしは顔を上げることはない。
……昨日のキスを思い出してしまいそうで。
永人の顔をちゃんと見れる自信がない。



「どうかした?」



あたしの様子に気づいたようで、頭を掴んで机の上から顔を上げられる。



「……っ」


「昨日寝ちゃったから怒ってんの?」



平然とそんなことを言う永人にだんだんと腹が立ってくる。



「しばらく話したくない」



そのまま、永人の顔を見ることはなく席を立つ。

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