2度目の初恋も、君とがいい
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「永人、ちょっと」



千花に〝しばらく話したくない〟と言われたことが頭からこびりついて離れないでいると、様子を見に行った日奈子に声をかけられる。



「日奈子……千花は?」


「中庭」


「行ってきていい?」


「まず、話聞いてくれる?」



日奈子の言葉にこくんと頷く。

きっと日奈子はどうして千花があんなことを言ったのかをもう知ってる。



「昨日、千花が看病来たのは覚えてる?」


「あぁ……俺が呼んだから。あ……もしかして」



俺はふとあることに気がつく。



「思い出した?」


「いや……せっかくお粥作ってくれたのに俺、起きれなかったからさ。気づいたら千花は帰ってたから」



目が覚めると、千花がいたはずの空間にはもう誰もいなくて。
キッチンには千花が作ってくれたであろうお粥が鍋に入っていた。

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