2度目の初恋も、君とがいい
「永人、起きたよ」


「は?」



日奈子の言葉に自分の眉間にシワがよっていくのがわかる。

だって、俺は起きた記憶なんかない。

懐かしい夢を見て、ここから覚めなければいいのにって思った。

小学生の頃、好きだった同じクラスの女の子。
それこそが千花だ。

夢の中では当時のように〝千花ちゃん〟なんて呼んでた。

あれは、小学四年生のとき。
千花とふたりになる機会があって思い切って告白した。

その次の日からだったよな。
千花がクラスの女たちからハブられるようになったのは。

俺が女を嫌いになったのはそれからだ。
俺が近づかなかれば、傷つく女はいなくなる。
だから、また千花のような思いをして欲しくなくて。
女に自ら近づくこともしなくなったし、寄って来る女も全員あしらった。

そうすることで、自然とこいつは性格が悪い。
そういうレッテルを貼られるから。
だんだんと話しかけてくるやつは減ってくる。

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