2度目の初恋も、君とがいい
「あたしと明日汰みたんだよ。登山合宿のとき」


「あー……まじか」



正直、誰かに見られてるとは思ってなくて。
平然を装うために頭をポリポリとかく。
焦ってる俺なんてすぐにバレるんだろうけど。



「永人がすっごく千花のことを好きなのは分かってるよ」


「……そんな、わかりやすいか?」



誰にも千花のことを好きだなんて公言してない。
明日汰にすら言ってない。

明日汰は、千花のことがすきだから。
あいつ、始業式のときに教室で〝千花ちゃん好みだし俺が直してあげようか?〟なんて少し遊び人風に言ってたけどあれが本気だなんてことくらい俺はわかってる。

でも……。
それでも、俺が一緒にいたかった。

〝やめろよ、怖がらせるだけだろ〟なんて、カッコつけて言ってたけど内心焦ってた。

もし、千花が明日汰を気に入ってしまったら。
もし、千花と明日汰が付き合い出したら。

そんなことばかり考えてた。

だから、明日汰よりも近くにいきたかった。

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