2度目の初恋も、君とがいい
「明日汰だって気づいてるよ。明日汰の気持ちもわかってるよね?」


「……わかってる」


「だったら、千花のこと傷つけないで。ちゃんと話してきて」


「……わかった。あ、俺お前の気持ちもわかってるから。ちゃんと」



入学して、渡り廊下の向こう側にいる千花をみたときにすぐに気がついた。

そして、やっぱり千花が好きだと改めて思った。
ずっと忘れたことなんてなかったから。

そして、それと同時に日奈子が千花のこと好きって気持ち。
渡り廊下越しに千花を見てたときから気づいてた。

大切に大切に見つめる、日奈子の瞳に俺は気づいてたから。
その目は、俺が千花を見る目と何らかわない気がしたから。



「だったら、あたしの分も幸せにしてあげてよ」


「……日奈子」


「あたしにはできないんだから、どんだけ思っても……」



日奈子の瞳から涙が溢れてくる。



「日奈子……」


「ごめ……これじゃあ永人があたしに何かしたように見えるね」



ゴシゴシと慌てたように涙を拭く。

< 84 / 235 >

この作品をシェア

pagetop