2度目の初恋も、君とがいい
どうしてだろう。
顔なんか全然思い出せない。

あの頃、仲良くしてた友達の顔もわからない。
だって、仲良いと思っていたのなんてあたしだけだったんだから。



「千花?お前全然進んでないじゃん」



呆れたような顔であたしの隣りにしゃがみこんで拭き始める。



「えい、と……」



やっとの思いで口にしたその名前。



「ん?」


「あの人……誰……?」


「え?あいつ、なんかお前に言ったのか!?」



明らかに様子が変なあたしに気づいたんだろう。
あたしの肩を掴んで、永人の方を向かせる。



「あの人……同じ小学校だったのかな……」


「なに言われたんだよ!こんなに手、震えて……!」



ガタガタと震えてるあたしの手を永人の手でぎゅっと握られる。



「あたしの小学校のときのこと知ってるみたいなの……でも、永人も同じ中学だったんだよね?」



〝中学のとき〟と彼女はいっていた。
……てことは、永人は同じ小学校か隣の小学校ということにねる。



「あ……あの子が引っ越したんだ」



あたしは勝手に自己完結に向かった。

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