2度目の初恋も、君とがいい
「だって……最近は辛い顔しなくなったもん」


「そりゃ、俺ら嘘の恋人解消したからな?」



ふぅっとため息をつく。



「やっぱり永人も認めてるじゃん。日奈子の気持ち」


「日奈子の気持ちなんて、最初から知ってるっつーの」


「え?知ってて、あたしと嘘の恋人しようとしたの?」


「そうだけど?」



〝何が悪い〟とでも言うような、永人の表情。



「永人は……女の子の友情わかんないんだね……」


「わかるわけないだろ。俺、男」



だんだん、永人のどうでも良さそうな態度にイライラが募ってくる。



「他人ごとだと思って!永人なんか嫌い」


「おい、なんでそうなんだよ」



くるりと向きを変えて歩きだそうとしたあたしの腕を引っ張る。



「あたしは嫌なの!もう友達をなくしたくないの!」


「お前がなんでか知らんけど、友達をなくすことが怖いのはわかった……でも、俺らはその友達にすらなれねぇの?」



見上げてはじめて気がついた。
永人の瞳が揺れてることに。

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