夢探偵

次の日の朝。
新聞を広げて読んでいると、昨日の事件が載っていた。
：昨夜　渋谷区ＯＯのレッドマンションに住む松中　啓子（２８歳）が胸に
刃渡り２０cmの出刃包丁を刺したまま、仰向けに倒れている所を、マンション管理人が
発見。
事件、自殺、両面を視野にいれて捜査しているもようです。

「ずいぶん簡単な記事だな～、、」
「警察もマスコミも自殺ってきめてるんじゃないですかね～。」
お手伝いはテーブルに朝食の準備をしながら言った。
「僕もそう思うよ。」
「獏様、朝食の時に新聞を広げるのは止めていただけないでしょうか。」
「ああ、、、」
獏は返事をしながらも、考えていた。
自殺、、自分で刺したとして、キャーって叫ぶ、、？
「それはないでしょう。」
「え？」
「なんで俺の考えてることがわかるの？」
獏は不思議そうにお手伝いを見た。
「獏様は考え事をしてらっしゃる時、声に出してらっしゃるんですよ。」
「え？、そうなの？」
「はい。いつもそうですよ。」