【短編】意地悪恋愛法則
「ねぇ、空太っ!空太ってば!!」
空太の歩くペースに着いていけず、あたしは空太を呼んだ。
五回目くらいでやっと空太は止まり、あたしに合わせてくれる。
「あたしなにかした?」
あたしはずっと気になっていたことを尋ねた。
「別に」
横を向いたまま、冷たく言う空太。
やっぱ怒ってる。
「なにかあるなら言ってくれなきゃわかんない」
「なにもねーってっ!!!」
強く怒鳴った空太は、言い終わったあとに「わりぃ」と謝った。
なんでそんなにイライラしてるの?
あたし、わかんない。
彼氏なのに、わかんないよ、空太。