【短編】意地悪恋愛法則
嫉妬恋愛日常
あのあと、沈黙のまま帰った。
「じゃぁな」
あのあと言われたその言葉は、どこか違った。
怒っているのか、ただの意地悪なのか、わからない。
「苅山、どうした?」
浜下があたしに聞く。
「いやぁ、ちょっとね……」
「彼氏となんかあっただろ」
図星をつかれて、顔をしかめるあたし。
「金森は素直じゃないからなぁ」
「え?」
「いや、なんかあったら相談のるから」
「ありがとう」
浜下とはあまり喋ったことなかったけど、結構いい奴だな。
そう思った。
「瑠夏、空太君が呼んでるよ」
あたしは友達が指を差した方向を見た。
扉によりかかる空太。