【短編】意地悪恋愛法則
「なに?」
「ちょっとこい」
腕を強引に掴まれ、引っ張られる形で人気のない廊下へ連れてこられた。
「ちょ、空太どうした―――」
強く押し当てられる唇。
「……っ――」
唇の隙間から入ってくる舌。
あたしの舌にあわせて動いている。
「そらっ……たっ……」
服の下から手が入ってくる。
「やめてっ!」
あたしは強く空太を押し、その場を逃げた。
どうして!
どうして!!
あんなの、空太じゃない!!
確かに、今まで強引だったし、意地悪だった。
でも、ちゃんとあたしのことを考えてくれてて……
気がつくと、あたしの目からは、涙が溢れていた。