極上社長と結婚恋愛
「楽しそうでよかった」
「そう言うあずさもね」
笑いながら言った私に、母がにっこりと笑った。
「私?」
なんのことだろうと首をかしげると、母の視線がダイニングテーブルに向かう。
そこには私が飾った花があった。
「あずさは、家に飾る花にその時の気分が出ちゃうから」
くすくすと笑われ、驚いて母のことを見る。
「えっ、そう?」
昔からよく家にも花を飾っていたけど、無意識に選んでいただけでそんなの意識していなかった。
ダイニングテーブルの花瓶に飾ったのは、かわいらしいアプリコットピンクのトルコギキョウと若々しい緑の葉のリキュウソウ。
「毎日を前向きに楽しんでる感じがする。花も、あずさも」
蔓状のリキュウソウはのびのびとした動きがあり楽しげで、明るい色のトルコギキョウは幸せそうに咲き誇ってる。
……確かに、言われてみれば今の自分の心境そのままかも。
母の言葉に自分の気持ちを見透かされたようで、なんだか恥ずかしくなる。