極上社長と結婚恋愛
 

「花束を作ってるとこ、撮ってもいい? ホームページには顔がはっきりわかるような写真は使わないから」
「はい」

頷いて作業を再開すると、直哉さんはカメラを構え直した。
その恰好はいつものスーツ姿ではなく、カジュアルな服装だった。

シンプルなブラウンのニットにジーンズ。艶のある黒いショートブーツ。
無造作にそでをめくりあげ、カメラを持った腕が男っぽい。

「直哉さん、今日はお仕事お休みだったんですよね。わざわざ休日にすみません」

花束を作りながら頭をさげると、「楽しいからいいよ」と微笑まれた。

「それより、こっちこそ週末の忙しいときに邪魔しに来てごめんね」

逆に謝られ、勢いよく首を横に振る。

「ホームページをつくるお願いをしているのに、邪魔だなんてとんでもないです。それにビジネス街なんで、特別週末が忙しいわけでもないんですよ」
「へぇ、そうなんだ」

商業地や住宅街なら、平日よりも週末に人があつまるけれど、オフィスが多いビジネス街では平日の金曜の方が忙しかったりする。
土日はどちらかというとのんびりだ。


 
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