極上社長と結婚恋愛
 

「もう、そうやって動揺させないでください。そんなことされなくたって、今でも十分直哉さんのことばかり考えてしまって困ってるのに」

真っ赤になった頬を腕で隠し眉をさげて文句を言うと、直哉さんは「ははっ」とはじけるように笑った。

「俺のことばかり考えてくれてるんだ?」

にやにやと笑いながら尋ねられ、苦情を言ったつもりが墓穴を掘ってしまった気分になる。
動揺を誤魔化すように慌ててうつむいたけれど、もう遅い。きっと髪からのぞくうなじも耳も、情けないくらい真っ赤になってる。

「本当に、可愛すぎて困るね」

楽しげだけど色っぽい声でつぶやかれ、ますます鼓動が早くなった。

胸が痛くて苦しくて、だけどじわじわと甘くうずく。
こんな気持ちをどうしていいのかわからなくて、私はしばらくうつむいたまま顔を上げられなくなってしまった。





 

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